2012年05月21日
孩児の手ざはりのごとき
孩児の手ざはりのごとき
思ひあり
公園に来てひとり歩めば
ひさしぶりに公園に来て
友に会ひ
堅く手握り口疾に語る
公園の木の間に
小鳥あそべるを
ながめてしばし憩ひけるかな
晴れし日の公園に来て
あゆみつつ
わがこのごろの衰へを知る
思出のかのキスかとも
おどろきぬ
プラタヌの葉の散りて触れしを
公園の隅のベンチに
二度ばかり見かけし男
このごろ見えず
公園のかなしみよ
君の嫁ぎてより
すでに七月来しこともなし
公園のとある木蔭の捨椅子に
思ひあまりて
身をば寄せたる
忘られぬ顔なりしかな
今日街に
捕吏にひかれて笑める男は
マチ擦れば
二尺ばかりの明るさの
中をよぎれる白き蛾のあり
目をとぢて
口笛かすかに吹きてみぬ
寐られぬ夜の窓にもたれて

